胃・大腸内視鏡検査へようこそ!

                                             中谷外科病院

胃・大腸内視鏡検査へようこそ

  <内視鏡検査とは>・

  <検査の説明と同意>・

  <内視鏡検査の受け方>

消化器内視鏡検査の種類と説明      

    <上部消化管内視鏡検査> 

    <下部消化管内視鏡検査> 

NBI: Narrow Band Imaging(狭帯域光観察)について

                            2013.8.22更新

はじめに


当院では、胃・大腸内視鏡検査と内視鏡的治療を積極的に行っています。

内視鏡を行うにあたっての当院の基本理念は次の3点です。

                                                                                      

1:安全第一

2:苦痛が無いこと

3:的確な診断と確実な治療

また内視鏡を受けられた患者様に検査結果をわかりやすく十分に説明し、

正しい理解をしていただけるよう努めています。

私たちは消化器内視鏡専門医および内視鏡技師としての自覚を持ち、患者様一人一人に“内視鏡をうけて良かった”と

言っていただけるよう、スタッフ一同日々精進しています。

 1994年から2012年までの過去18年間に当院で行った内視鏡検査・治療

は約3万件になります。

     

   

 院内感染対策として、そして何よりも患者様が気持ちよく内視鏡をうけられるように、当院では2003年より内視鏡に使用する器具類(病理組織検査のための生検鉗子、ポリープや早期ガン切除に使用されるスネアワイヤーなど)をすべてディスポーザブル(使い捨て)としております。

               

現在当院で行われている内視鏡検査および処置は日本消化器内視鏡学会ガイドラインにもとづいたものです。

               

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内視鏡検査とは

現在当院で行われている内視鏡検査の実際を紹介させていただきます。

内視鏡検査とは、先端に小型カメラ (CCD) またはレンズを内蔵した太さ1cm程の細長い管を口あるいは肛門より挿入し、食道、胃、十二指腸や大腸の内部を観察し、時には治療を行うものです。医療機器や技術の発達により応用範囲も広がり、診断から治療までスムーズに行われるようになってきました。                         
観察する病変の場所、種類によって方法が異なりますので、ご自分が検査を受けられる場合には十分に説明を受けていただきたいと思います。

                    

検査の説明と同意
1. 検査の説明と同意(インフォームド・コンセント)について

 患者さんと医療関係者の間によりよい医療環境を築くという基本的な考え方で、種々の内視鏡検査(治療)をお受けになる前に、その検査の必要性、方法、その結果、予想される危険性、さらに他の検査や治療法との比較などについて、十分にお知りになった上で検査を受けて頂きたいと思います。担当医から説明を受けて十分に了解されましたら、その検査に対する同意の意志を担当医にお伝えください。

    どのような方法で検査(治療)を行うのか、また他の検査(治療)と比べどう違うのかこの一連の行為をインフォームド・コンセントと言います。その際、同意書に署名していただく方法が一般的に行われています。患者さんご本人が署名できない場合には、責任のある代理の方に署名して頂くことになります。

  担当医からの説明には次のような項目が含まれます。

1:どのような病気を疑い、なぜ内視鏡検査(治療)が必要か

2:検査(治療)の危険性、および注意事項

3:検査(治療)の結果、および経過等について

                        

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2. 検査の受け方について

1) 一般検査の場合    

 検査当日は、胃腸の動きを止める薬や麻酔薬などいろいろな薬を使う可能性があります。検査の安全性を高めるため、検査前には以下のような項目について質問させていただきます。また各項目に心あたりがありましたら積極的にお申し出ください。

・ 血の止まりにくい薬を飲んでいるか(ワーファリン、バッファリンなど)

・ 高血圧の薬を飲んでいるか

・ 狭心症、心筋梗塞、その他の心臓の病気といわれたことがあるか

・ 緑内障といわれたことがあるか

・ 前立腺肥大があるか

・ 糖尿病でインスリンを使用しているか

・ 睡眠薬、精神安定剤を服用しているか

・ 脳卒中を起こしたことがあるか
・ 歯の治療で麻酔の注射(キシロカイン)で具合が悪くなったことがあるか

服用している薬の中止方法や、検査当日の服用方法については担当医から指示を受けて下さい。検査当日は車の運転は危険ですので避けて下さい。

2) 緊急検査の場合

 吐血や下血など消化管からの出血が疑われる場合など病状によっては緊急に内視鏡検査を行う必要があります。この場合はすぐに検査をしないと生命に危険が生じると判断されるときであり、予約の必要はありません。

担当医から指示を受けて下さい。

検査後入院が必要になる場合があります。

3. 消化器内視鏡類と説明

上部消化管内視鏡検査                    

1)上部消化管内視鏡検査(食道・胃・十二指腸内視鏡) 

 上部消化管とは食道・胃・十二指腸を指し、口から内視鏡を挿入し、これらの部位を一連の検査で観察します。昔から「胃カメラ」といわれてきたものです。

<上部消化管内視鏡検査の受け方>

(1) 事前検査

 検査を安全に行うために、全身状態や感染症の有無を把握する目的で、採血、尿検査、心電図検査などを行う場合があります。

(2) 検査の前処置

・ 検査前日の夕食は軽くし、午後9時以降の食事は避けてください。

・身体が苦しくならず、着脱が楽な服装でお出かけください。

(3) 検査当日の手順

・検査前日、当日の飲水制限はしていません。

 のどが乾いているときは、自由に水かお茶を飲んでいただいて結構です。

・出血しやすくなる薬(ワーファリン、バファリン、パナルジンなど)は検査前1−7日間内服を止めていただく場合 があります。。それ以外の常備薬(血圧、抗不整脈薬など)は飲んでおいてください。

 ”薬を飲むべきか止めるべきか”については事前に説明いたしますが、不明な点がありましたらお申し出ください。

・ 前処置室で約100mlの前処置用溶液(水と消泡剤、蛋白分解酵素を含む白い液体で 胃の中をきれいにします)を飲みます。

・ストレッチャーに横たわり、そのまま検査室へ移動します。

 ベルトをゆるめ検査台の上で、左側を下にして横向きに寝ます。

・マウスピースを口にくわえます。

・ 鎮静剤を注射(静注または筋注)します。

・ 鎮静剤を希望されない方は、咽頭麻酔(キシロカインビスカスという局所麻酔剤を 

 3分間舌の奥にためてのどをしびれさせる方法)のみで検査を受けることもできます。 

・内視鏡がマウスピースを通して口より挿入され、検査が始まります。

・通常一般検査は3ー10分前後で終了します。

検査中の苦痛は殆どありません。   

(4) 検査後の行動、注意事項

・検査終了後は内視鏡室となりの回復室でしばらく休んでいただきます。

・ 検査当日はいろいろな薬を使う可能性がありますので、検査後の車の運転は避けてください。

・飲水、食事は指示を受けて(通常検査終了後1時間後より)とってください。

・組織やポリープをとった方は、刺激のある食事、飲酒、コーヒーなどを2ー3日はなるべく避けてください。

・当日の激しい運動はおやめください。またお風呂も長風呂を避け、シャワー程度にするのが無難です。

・最終検査結果報告は後日となりますので、次回外来診察日をご確認ください。

・もし吐き気や強い腹痛が生じた場合には、中谷外科病院(電話:0863-31-2323)

 へ至急連絡してください。

<上部消化管内視鏡検査の合併症>

 万が一、出血、穿孔などの合併症が生じた場合、入院や緊急の処置・手術が必要になることがあります。

観察(生検を含む)を目的とした上部消化管内視鏡検査での出血、穿孔などの発生頻度は全国集計(2003年から2007年の5年間)で0.005%(2万人に1名の割合)でした。早期癌の内視鏡切除などを含むすべての上部消化管内視鏡検査・治療の偶発症は0.057%(約2千人に1名の割合)でした。

<一般上部消化管内視鏡検査とは>

 貧血や腹痛の原因を調べるため、食道・胃・十二指腸に発生した潰瘍、炎症、腫瘍、ポリープなどを診断するために行います。その際、組織検査のため病変の一部を摘みとってくることがあります(生検といいます)。通常外来で問題なく行えます。

<内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)とは>

 主に食道や胃の粘膜にできた早期癌に対して内視鏡を用いて切除を行う治療法です。内視鏡で病変を直接観察しながら、特殊なナイフ(TT-knife, IT-knife etc)を用い、

病変部を含む粘膜層を粘膜下層の深さで切除します。

従来、手術が必要だった早期癌(stage 1a)も、内視鏡的に身体に負担の少ない治療法で根治が可能です。ただし、病変部の形態、拡がり、深さ、またガン細胞の種類によって、適応を厳密に決定していますので、担当医に相談してください。切除後は人工的な潰瘍になりますので、まれに出血や穿孔などを起こす可能性があり、そのために原則として入院して行います。


 

 

 

<経鼻内視鏡について>

 

鼻の穴からカメラを挿入して、胃の中を観察する経鼻内視鏡は、現在当院では行っておりません。

 

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下部消化器内視鏡検査の種類と説明

                                                                    

下部消化管内視鏡検査では、大腸(結腸と直腸)と小腸の一部(小腸の終わりの部分約10cmまで)を観察するために肛門から内視鏡を挿入し、これらの部位に発生したポリープ、炎症、癌などを診断します。ポリープや癌がある場合、組織検査のため組織の一部を採取したり(生検といいます)、周囲の正常粘膜を含め病変を内視鏡的に切除(ポリペクトミー、内視鏡的粘膜切除術といいます)することがあります。

<下部消化管内視鏡検査の受け方>  

          
側方拡大型大腸腺腫(LST)       早期大腸癌        進行大腸癌

(1) 事前検査

検査を安全に行うために、全身状態や感染症の有無を調べる目的で、採血、尿検査、心電図検査などを行う場合があります。

(2) 検査の前処置

大腸の内視鏡検査を行うには、大腸の中を空にしなければなりません。検査の予約の際に必ず渡される説明書に従って準備してください。当院では主にマグコロールP法を行っています。


<マグコロールP法とは>

検査当日の朝からマグコロールP溶液(腸管洗浄液、やや酸っぱい柑橘系の香りと味がします)を900ー1800ml飲み、便を洗い出して、腸の中をきれいにする方法です。

当日の朝食は絶食です。午後からの検査の場合は昼食も絶食です。

飲水は制限していませんので、水かお茶はご自由に飲んでいただいてかまいません。

(3) 検査当日の手順

・ 名前が呼ばれたら、指定された場所で検査着に着替えます。

・ 検査室へ移動したら、検査台の上で横になります。

・ 鎮静剤を静脈注射します

検査中の苦痛は殆どありません。

・ リラックスしましょう。検査時間は患者さんにより多少違います。観察のみの場合、 所要平均時間は約3ー15分です。ポリープや早期ガンを内視鏡で切除する場合でも 通常30分以内に終了します。

(4) 検査後の行動,注意事項

・観察のみで処置を行わない場合、検査後2時間ほど休んでいただいた後に帰宅できま す。ポリープ切除などの処置を行った場合や70歳以上の方、心臓や肺に病気のある方 は1-3日入院していただきます。

・ おなかが張って来ることがありますが、ガスをどんどん出してください。時間を追って楽になります。

・ 当日はいろいろな薬を使う可能性がありますので、検査後の自動車の運転はしないでください。

・ 意識がしっかりしたら水を少しのみ、気分が悪くなければ食事しても結構です。

・ 組織やポリープをとった方は、医師の指示により一定期間消化の良い食事をしてください。刺激物、脂っこいもの、アルコール類は避けてください。

・ 便に混じる少量の出血なら心配いりませんが、多くなかなか止まらない場合、痛みが続く場合は

 中谷外科病院(電話:0863-31-2323)へ至急連絡してください。

・ 当日の激しい運動はおやめください。また、お風呂も長風呂を避け、シャワー程度にするのが無難です。

・ 最終検査結果は後日となりますので、次回外来診察日をご確認ください。

<下部消化管内視鏡検査の合併症


 組織検査のために組織を採取したり、ポリープの切除などの治療を行うことがありますが、ごくまれに出血や穿孔等の合併症を起こすことがあります。万が一合併症が起きた場合、緊急の処置・手術が必要になることがあります。

観察(生検を含む)を目的とした大腸内視鏡検査および治療に伴う偶発症の発生頻度は全国集計(2003年から2007年の5年間)で0.012%(約1万人に1名の割合)でした。

 

NBI: Narrow Band Imaging(狭帯域光観察)について

<NBIとは?>

内視鏡医の第3の目となる最新医療技術NBIは、

咽頭・食道・胃・十二指腸・回腸・大腸・肛門管

の早期ガンの診断・治療を大きく変えました。

狭帯域光観察(Narrow Band Imaging= NBI)
「NBI」は、血液中のヘモグロビンに吸収されやすい狭帯域化された2つの波長(390〜445nm/530〜550nm)の光を照射することにより、粘膜表層の毛細血管、粘膜微細模様の強調表示を実現します。擬似的な狭帯域画像を信号処理する方法では、粘膜組織の状態や観察条件によって結果が変化し、十分な効果を発揮できない恐れがありますが、「NBI」では、実際に照射する光の波長を変えているため、常に粘膜表層の毛細血管及び粘膜微細模様を効果的、安定的に強調処理することが可能です。

  

    表在性食道癌症例(NBIを使用することにより開胸・開腹手術の必要がなく内視鏡で根治切除できるこのような早期食道癌も多く見つかるようになりました。)

 

     


 

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